国家資格キャリアコンサルタントとは、求職者のキャリア形成を支援するための資格です。
今回はキャリアコンサルタントの試験概要や難易度についてご紹介しますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。
資格取得の難易度
試験には学科試験と実技試験があります。
合格率は約78%となっており、比較的高い傾向にあります。(2021年現在)
キャリアコンサルタントは通信講座での受講も可能で、3年の実務経験を経て受験資格を得ることもできるので、日頃の知見や経験を活かせれば合格も夢ではないでしょう。
キャリアコンサルタントの資格があるとどんなことができる?
ャリアコンサルタントとして活動することで、多くの人々のキャリア形成に貢献することができます。具体的な活動内容は以下のように多岐にわたります。
個別のキャリアカウンセリング
クライアントのキャリアに関する悩みや課題に対して、適切なアドバイスや支援を提供します。キャリア目標の設定や職業選択のサポート、自己分析や市場分析のアシストなどが含まれます。
転職支援
転職を希望するクライアントに対して、適切な求人情報の提供や応募書類の作成、面接対策のアドバイスなどを行います。
キャリア教育プログラムの開発・実施
学校や企業でのキャリア教育プログラムの企画・開発・実施を行います。これには、職業観の形成やキャリアデザインの方法、就職活動の指導などが含まれます。
労働市場や産業構造の分析
クライアントが適切なキャリア選択や転職を行えるよう、労働市場や産業構造の動向を分析し、情報を提供します。
法令や制度に関するアドバイス
労働法や社会保険制度に関する知識を活かして、クライアントや企業に適切なアドバイスを提供します。
試験概要
それでは試験の概要を詳しくご紹介します。
試験内容および受験資格については以下の通りです。
筆記試験
筆記試験ではキャリア形成支援、キャリアコンサルティングの技法、労働市場・産業構造、就業・労働関連法令、キャリア教育、キャリアデザイン理論などの知識を問う問題が出題されます。
キャリアコンサルタントとしての役割やカウンセリングにおける知識、メンタルヘルスなど幅広く出題されることから、必要となる知識やスキルが問われることになります。
試験範囲は試験機関や国によって異なる場合がありますが、一般的な出題内容は以下のようなトピックを含んでいます。
キャリア理論
キャリア発達理論、キャリア選択理論、キャリアアンカーなど、キャリアに関する基本的な理論や概念についての理解が求められます。
カウンセリング技術
アクティブ・リスニング、オープン・クエスチョン、リフレクティング、エンパワーメントなど、カウンセリングやコーチングにおける基本的な技術やスキルが問われます。
職業情報・労働市場
職業の分類や特性、労働市場の動向、雇用形態の変化、求人情報の取得方法など、職業に関する情報や労働市場に関する知識が問われます。
人材開発・教育制度
企業における人材開発の方法や制度、教育制度や資格制度に関する知識が問われます。
法律・制度
労働法や雇用政策、社会保障制度など、キャリアカウンセリングやキャリア支援に関連する法律や制度についての知識が問われます。
また、クライアントとのカウンセリング・コンサルティング実践を模擬した問題が出題され、コミュニケーション能力や問題解決能力が評価されます。
筆記試験は4択のマークシート形式となり、50問中35問以上の正解で合格となります。
出題形式 | マークシート方式(4択) |
問題数 | 50問 |
試験時間 | 100分 |
合格基準 | 100点満点中70点以上 |
受験料 | 8,900円 |
筆記試験対策
キャリアコンサルタント試験の参考書や教材を購入し学習することが基本となりますが、その他にも以下のような対策が効果的です。
試験範囲の把握
まずは試験の範囲を把握し、各トピックの重要度を理解してください。試験対策において、効率的な学習計画を立てるためには、試験範囲の把握が重要です。
過去問題・模擬問題の練習
過去問題や模擬問題を繰り返し解くことで、試験に慣れるとともに、自分の弱点や理解度を確認することができます。また、時間を計って練習することで、試験本番における時間管理も身に付けられます。
オンライン学習
インターネット上には、キャリアコンサルタント試験の学習や練習に役立つウェブサイトやアプリがあります。これらのサービスを活用して、自分の都合に合わせて学習を進めることができます。
セミナーやオンライン研修への参加
試験対策に特化した研修や講習会に参加することで、専門家からの指導を受けたり、模擬試験を受けたりすることができます。これらのイベントは、効果的な学習方法やアドバイスを得ることができるため、対策を強化する方法の一つです。
定期的な復習
学習した内容を定期的に復習し、理解度を高めましょう。短期間で大量の情報を学習することは難しいため、継続的な学習と復習が重要です。
グループ学習
他の受験者と一緒に学習することで、互いに知識や理解を深めることができます。また、グループ学習では、互いに質問したり、ディスカッションを行ったりすることで、自分一人では気づかない視点や理解の相違に気付くことができます。さらに、学習のモチベーション維持にも役立ちます。
自己評価と課題の洗い出し
学習の進捗や理解度を定期的に自己評価し、課題を洗い出して取り組むことが重要です。自分の弱点を明確にし、それに集中して学習することで、効果的な試験対策ができます。
時間管理の習得
試験本番では、限られた時間内で問題を解く必要があります。そのため、時間管理を習得することが重要です。練習問題を解く際にも、時間を計って取り組み、効率的な解答方法を身に付けましょう。
これらの方法を組み合わせて、キャリアコンサルタント試験の筆記試験対策を進めてください。
継続的な学習と努力によって、試験に自信を持って挑むことができるでしょう。
実技試験
実技試験では個々の対話型カウンセリング技術やコミュニケーション能力、問題解決能力などを評価する試験です。
実技試験では、一般的に以下のような形式で実施されます。
カウンセリングシミュレーション
実技試験の主要な部分は、カウンセリングシミュレーションです。受験者は、クライアント役の試験官とロールプレイを行い、適切なカウンセリング技術を実践することが求められます。
このシミュレーションでは、リスニングスキル、質問技術、フィードバック技術、適切なアドバイスや提案など、キャリアカウンセリングにおいて重要な要素が評価されます。
カウンセリングプロセスの説明
受験者は実施したカウンセリングシミュレーションのプロセスや内容について試験官に説明することが求められることがあります。
これにより、受験者のカウンセリング理論や技術の適用能力が評価されます。
ケーススタディ
一部の試験では、事前に配布されたケーススタディに基づいてカウンセリングを行うことが求められることがあります。
受験者は、ケースに対して適切なアプローチや解決策を提案し、その根拠を説明することが求められます。
実技試験対策
カウンセリング技術の習得
基本的なカウンセリング技術や理論を習得し、それらを継続的に練習して実践で使えるようになることが重要です。
繰り返しのロールプレイング
カウンセリングシミュレーションの練習を積極的に行いましょう。
友人や家族、同僚などとロールプレイを行って、実践的なカウンセリング技術を身に付けることができます。
ケーススタディの分析
ケーススタディを用いた練習を行うことで、様々なシチュエーションに対処する能力を向上させることができます。
具体的なケースを分析し、適切なカウンセリングアプローチや解決策を考えることで、問題解決能力や柔軟な思考力を身に付けましょう。
フィードバックの活用
練習を通じて、他者からのフィードバックを受け入れ、自分のカウンセリング技術やコミュニケーション能力の改善に役立ててください。
客観的な評価を得ることで、自分の弱点や改善点を明確にし、効果的な対策ができます。
研修・講習会の参加
試験対策に特化した研修や講習会に参加することで、専門家からの指導や実技試験に特化した練習を行うことができます。
また、他の受験者と交流することで、互いに刺激を受けたり、学習のモチベーションを維持することができます。
自己評価と課題の洗い出し
自分のカウンセリング技術やコミュニケーション能力を定期的に自己評価し、課題を洗い出して取り組むことが重要です。
自分の弱点を明確にし、それに集中して練習することで、効果的な試験対策ができます。
これらの方法を組み合わせて、キャリアコンサルタント試験の実技試験対策を進めてください。継続的な学習と努力によって、試験に自信を持って挑むことができるでしょう。
また、実技試験には論述試験と面接試験があり、面接試験はロールプレイと口頭試問があります。
実際に知識や技法を習得しているかを問われる試験になります。
試験内容 | ①論述試験 ②面接試験 |
出題形式 | 論述試験:記述 面接試験:ロールプレイ・口頭試問 |
試験時間 | 論述試験:50分 面接試験(ロールプレイ):15分 面接試験(口頭試問):5分 |
合格基準 | 論述試験:150点満点中90点以上 面接試験:評価区分毎に満点40点以上 |
受験料 | 29,900円 |
キャリアコンサルタントの資格を取得するために
キャリアコンサルタントは老若男女たくさんの方々のキャリア支援を行うため、知識を頭で理解するだけではなく、実際に実技として落とし込めているかも問われます。
キャリアコンサルタントオンラインでもキャリアコンサルタントになるためのサポートを行なっていますので、キャリア支援に興味のある方はぜひ挑戦してみてください!